”家”と”庭”との切っても切れない関係
その他|2015月07月21日
今あるものを活かして、居心地よい場づくり
7月初旬の週末、フォレスタイルの協力建築事務所のひとつである株式会社
アトリエ創一級建築士事務所さんが、仕事上のパートナーの庭師さんと企画
したイベントへ参加して来ました。
メインは、建築士さんと庭師さんの作品展ですが、付随して、“ZAKKATU祭”
と称しクラフト作家さんたちがお手製の品を販売されました。お菓子にパンに
アクセサリー、みなさん思い思いのものを販売されていました。おいしいもの
に目がない私は、“花よりだんご”、どれもこれも目移りして困りました。
会場となったのは、一宮市にある『つくる。』というイベントスペースです。
かつての織物工場と古民家を活用し、“つくること”をキーワードに、人々が
集う場を提供しています。どちらの建物も長い歴史を刻んできたため、取り
壊されそうになっていたところ、今回イベントを企画した庭師さんが活かす
ことを買って出たそうです。
↑元繊維工場 「のこぎり屋根」という、往年の工場に典型的な形態の屋根。
広い面積の空間へ均等に採光するのに優れているそう。一見、おおよそ現在
進行形で使われているようには見えないけれど…中に入ると、立派な梁や柱
や古き良き時代が感じられる、雰囲気のある建物。
※内部の様子については、『つくる。』のHPをご覧ください。
http://www.tsukuru-ichinomiya.com/guide/
今回のイベントは、会場の名の通り、『つくる。』ことに拘っていれば、
ジャンルを問わず参加できるというものでした。フォレスタイルは“家を
つくる“ことを説明するという目的がありました。ブースを構えたのは、
元工場に隣接する風情ある昔ながらの古民家でした。
↑「昔の職人が競い合って建てられた日本家屋」と銘打たれた古民家。玄関のある東面と裏の西面と両方に大きな窓があり、
開け放つと心地よい風が通り抜けて行く。畳敷きの広間に座っているだけで心が穏やかになり、絶好の寛ぎの空間。
普段、お客様と接していて、外観こそこのような純日本家屋を選択される
お客様は少ないものの、案外若い世代に畳の部屋は人気があると感じます。
子育て世代であれば、お子様のお昼寝やオムツ替えの時など重宝するという
声をよく耳にします。時代は流れ、生活様式や趣向が変わっていっても、私
たち人間の中に脈々と流れている“人が感じる心地よさ”は変化しないもの
なのかもしれません。
続いて、今回のイベントのメイン、庭師さんと建築士さんの展示へとご案内。
ホワイトボードの貼紙に誘われ…
年季の入った階段を上ったその先には…
“庭”が。
庭の奥には、畳の空間に昔懐かしい、これまた年季の入った勉強机。
畳の部屋から眺めたその先に、庭があるという演出です。今でこそ
庭のある家は“あたりまえ”ではないけれど、かつてはどの住まい
にもあり、切っても切り離せない関係でした。それが“家”と“庭”。
家族が暮らしを共にする「家庭」という言葉は、ちょうど“家”と“庭”
から成っています。“庭”は暮らしに自然を取り入れるものとして、“家”
と“人”とに寄り添う存在であれば…
それが庭師さんと建築士さんが抱く共通の思いです。
2頭のヤギさんたちが、すぐそばで愛嬌を振りまいてくれていました。
彼らもまた、”庭”をかたちづくる大切な仲間であり、ムードメーカーです。